心臓移植とは

13.移植心不全

 同所性心臓移植手術の場合には、自分の心臓はすでに取り除かれ、ドナーの心臓だけになっているわけですから、移植術が終わって人工心肺装置をはずした直後から移植された心臓は全身の循環を維持しなければなりません。元気な心臓を移植するのですが、移植後一時的に心臓の収縮力が低下して心不全状態になることがあります。多くの場合には、強心剤などを2~3日間使用している間に回復し、その後は十分に働いて、食事や歩行が可能になります。
 しかし、時に移植手術後の心不全が長引いて機械的補助循環が必要になったり、希にはもう一度別の心臓を移植したりしなければならないことがあることは前にも述べた通りです。